ニャチャンへ

私は、無謀にもニャチャンヘ行くことにした。

ホーチミンもいいと思っていたのだが、
いかんせん、中国、タイときて、買い物天国的な街は疲れていた。
それより、何よりも、海が見たかったのである。

ニャチャンはベトナムのリゾート地で、
非常にすごしやすく、椰子の木と海が見える。

ホーチミンには、デタム通りというバックパッカーの集まる街があり、
それもまた魅力的であった。
そこに滞在して、精力的にホーチミンを見ることも考えたが、4日間、それで時間を使うのは難しい気がした。

「南の国にきて、海に行ってないなんて!」
結局こんな理由で、決めた。

駅に着き、時刻表を見る。

ちょうど、1時間後の列車があるようだった。
当初の予定では昼の列車は存在せず、深夜の列車にのってニャチャンヘ向かおうとしていたのだが、
それは、どうやら古い情報のようだった。

このまま重い荷物をしょったまま、街をうろうろし、深夜に出発するのは少し耐え難い気がした。
車窓からの眺めも楽しめると自らを納得させ、列車に飛び乗る。

疲れていたため、寝台車の冷房付きを選ぶ。
乗車してみると、二階建て寝台車。
非常に快適で、一人テンションがあがっていた。

空港到着、チケットなし、帰りのチケットも購入せず、いきなり未知の土地へ向かう!
そんな冒険心が、私の心を揺さぶっていた。