ただでは転ばない

そろそろ、うっとおしくなってきた。
もちろん、また金をいつ要求されるかとおもうと、
気が気でない。
むしろ、一人できままにドライブしたほうがいいような気がしてきた。

そろそろ一人でいろいろいこうと思うから、
ここで一端、お別れしようというと、彼女は食い下がった。

「電池をくれるっていってたよね」

そういえば、そうだ。
彼女が話しかけてきたときも、あなたとおなじデジカメを持っているといわれた。
家でみせられたのは、確かにおなじタイプで、おなじタイプの電池だった。
彼女はもう電池がないという。
そういえば、予備のアルカリ乾電池があったな・・・。
と、思い出した私は、
「ほしかったら予備をあげるよ。」
そんなことを口走っていた。

これは仕方ない。
ホテルまで一緒に向かい、電池をとって彼女に渡す。
彼女はありがとうといって、新しい電池に入れ替えていた。

彼女は今晩はどうするのか?と、聞く。
もちろん。今日は予定がない。
晩飯を食べたいというので、OKする。
(おごらされるのだが)
まぁ、それぐらいはいいだろう。

そろそろ本気で一人になりたくなったので、
夕飯の時間を決めてお別れしようと思うと、
家の近くまででいいからともにドライブしないかといわれる。

途中、ちょっとよるとこがあるので、よりたいという。
もちろん。私もついていく。疑いの余地などない。
つれていかれたのは弁当屋のようだった・・・。
この後の展開を推測できる人は、ベトナム人というものを良く理解しているかもしれない。笑
そうなのである。
「飯をおごる」といったから、
そのお金は僕が出してくれるものと思い、彼女は学校にこの弁当が必要なんだといいはなったのである。
あきれてものもいえず、あんぐり口を開けた僕を見て、
彼女は何か感じ取ったのだろうか、「おう、イッツオーケー」といい、
弁当代を自分で支払っていた。

ここまでくると、むしろ、感嘆していた。
ほんまに、ベトナム人って・・・。