戦争博物館

ベトナム戦争博物館は大統領官邸から歩いていける距離にある。

現在大改築中のようで、大きな建物の中には入ることはできなかった。
外にプレハブのような建物がいくつか建ててあり、それが臨時展示場の役割を担っている。

一歩はいると、戦車や航空機が飾ってあり、なんか、戦争を讃えるところなのか・・・?
土産物屋はあるし・・・。
と、俗世間化してしまった感に多少驚いたが、実際の展示物は目を覆いたくなる物ばかりであった。

以前、問題になった、枯れ葉剤に関する展示物は発見できなかったが、
ここで一番目を引くのが、「地雷」に関する展示だろう。

足を無くした子供。
視力を失った母。
焼けただれた女の子。

未だ、中部には撤去できていない地区があるのだろう。
地雷除去に関する募金は未だに展開していた。

驚くべきはその兵器の種類だった。
パイナップル爆弾という、細かく砕け散る爆弾。
蜘蛛型という少しでもひっかかれば爆発する爆弾。
オレンジという、オレンジ色に塗ってあり、一見果物に見える爆弾。
しかも、火薬は致死量ではなく、足を失う程度のレベルであるという。

少年のインタビューがそこに乗せてあった。
「それはきらきら光る宝物に見えました。
 私は、それをおもむろに手に取ろうとしました。
 その次の瞬間、私のからだは宙に吹っ飛んでいたそうですが、
 私は覚えていません。
 次に気づいたときには、私の右足と右手はありませんでした。」

傷跡はいまも、この国に根付いている。
一見、観光にきただけでは、見つけることはできないのだが。