午後のドライブへ

「どこへ行きたい?」
と、彼は聞く。
でも、わたしにとってホーチミンで行きたいところ・・・。
というのはあんまりプランが無い。
「あなたに任せるよ。おもしろそうなところへ連れて行って。」
彼が連れて行ったところはこんな感じ
・アーミーショップ、本物のヘルメットとか軍服やライターが売られている。
・やたら汚い川、ベトナム水質汚染は目を見張るものがあった。普通の観光ではまず連れて行かないところ。
・チャイナタウン
・市場(むっちゃばかでかい)
・カフェ 彼がよく利用するそうだ。
・もう一つ、バーっぽいカフェ、音楽がいいらしい。
わたしが、普通のベトナムの人の暮らしが見たいとか言ったのが影響したようだった。
どこへ行っても、ドンをそんなに使うことは無かった。
普通の庶民の暮らしぶりと、日本人はいきなり金持ちになるので、通貨の格差ってすごいなぁと感じる。

印象に残ったのは、貧富の格差だった。
ホーチミンは商業の中心地だけに、何でもそろっている。
高級マンション、ホテルにクラブ
きりはやすい市場に物乞いまで。
彼はこの川を渡ると貧困層だとか教えてくれたりした。
普通の観光なら、まずこういうところは見ることはないだろうと。彼は言っていた。

彼もまた、中部から出稼ぎにきている人の一人である。
年はもう38だそうだ。
はじめは教師をしていたそうだ。
しかし、教師の給料というのは非常に少なく、家族を到底養っていけるレベルじゃないし、
もっとビジネスをしたかったらしいのだ。
だから、南部に来ることにした。と、彼は言っていた。
彼はカフェで言っていた。
「わたしは独学で英語を勉強ししゃべることができるようになった。
 正直、君としゃべるときはわたしはゆっくりしゃべっている。
 大学で勉強したかもしれないが、君が国際的なビジネスをするならもっと勉強するべきだろう。」
う・・・。ごもっとも。
彼は独学で日本語も今、勉強していると言っていた。
テキストは古びれた会話本のようだった。
彼のノートを見せてくれた。
そこには書き取りしている後があった。
「今も勉強しているよ。ビジネスしたいからね。」
そう、語る彼の目は笑顔ながらも、生きる力にあふれていた。