空港へ

カフェを出ると、そろそろ空港へ向かう時間になりつつあった。
最後に一つ・・・。
ということで、よく日本人観光客が向かう船上レストランへ連れて行ってくれる。
もちろん、ただ眺めただけだが。
そのあたりには高級ホテルがひしめいている。
「日本人はよくこのあたりに泊まっているよ」
と、彼は語っていた。
現地人からすれば信じられない値段である。
しかし、そこに易々と泊まる日本人をみて、彼は何を思うのであろうか。

夜も暮れ、バイクは空港へとひた走る。
時間が遅くなるにつれ、バイクの数が増えてくるように感じる。
とうとう、3車線のうち、1車線がバイク・・・。
すごーーーい。
なんじゃこりゃ。
ベトナムのバイクはほとんどが、カブの強力仕様、二人乗りチェアー付き。
もちろん、全員がノーヘル。
女の子はスカートの娘は箱乗り。
まだ、熱ののこる夜をバイクはひた走る。
後部座席できょろきょろしながら、ふと笑えてくる。
「ほんと、おもしれー国だなぁ。」
空港に着き、彼と別れを告げる。
約束通り、20ドルを支払う。
「他のお客さんなら、もっとチップをもらうんだけど、君が学生だから勘弁しておくよ。」
そういう彼は笑っていた。