フランス

フランスで初めて目にした物は、POPな落書きをされた壁たちだった。
地下鉄の窓には色んなポップな言葉が落書きされている。
しかし、治安が悪いわけではないのだろう。

地下鉄に乗ってもう一つ気がついたことが、黒人が多いことだ。
イギリスではそんなに多く目にすることがなかった。
しかし、フランスでは知的な格好をしたブラックを見ることが珍しくない。

それどころか、スパニッシュ系や、イスラエル
ありとあらゆる人種を見かけることができる。
そして、カップルは至るところでキッシング・・・。
(私もできることなら・・・。なんで一人でパリに着てるんだろう!?)

地下からは、その美しさを推し量ることはできない。
しかし、一端、パリの街に足を踏み入れ、地下鉄の出口、Sorttieをあがると、
どこからあがってもその美しさに息をのまれてしまう。

ビストロと呼ばれる、庶民派レストランが軒をつらね、
ありとあらゆるオープンカフェで、巻き舌なフランス語のおしゃべりが聞こえる。
ファッションの街だけあって、息をのむような美しさのブロンド女性を見かけることも珍しくない。

美食、エロスは人々に解放されている。
人間の原始的な欲望を満たすすべてを持ちながら、
その数々の歴史を刻んできた伝統が、懐の広さを持って受け入れる。
セーヌ川のほとりに浮かぶ、ノートルダム聖堂は、
パリのにぎやかなたたずまいの中に、荘厳な威厳を持って、ひときわ美しい輝きを放っていた。

当たり前のように、世界に誇る美術館に囲まれ、
当たり前のように、授業の一環として、訪れ、そして国の歴史を学ぶ。
ゆったりと流れる時間のなかで、美術品をデッサンする学生たち。

パリっ子は、日本人のように、英語が話せるようになる人が少ないという。
それもこれも、一度この国で青春を過ごしてしまうと、他の国に移ることができないんだろう。
どこかでこんな言葉を耳にしたことがある。

"青春時代にもし、パリで過ごすことができたなら。あなたの人生のすばらしい輝きとして、その足跡を残すだろう" 、と。

パリっ子をちょっとうらやましいと感じている自分がいるのであった。