ビストロ

ノートルダムの美しさに心奪われながら、てくてく歩く。
川を越えたところにビストロがあった。
フランスのビストロというのは、ちょっと庶民派レストランという感じである。
道にせり出して店があるのが特徴だろうか。
アウトサイドの席には、ノートルダムを眺められるようになっている。
かさのような形をしたストーブがあるので暖かそうだった。

値段を見ると、コースで15ユーロと書いてある・・・。
どうしようかな・・・。
とメニューを眺める。
「サー、ボンソワー」
店のマスターらしき人が話しかけてきた。
うーん。ここにすっかぁ。
せっかくパリについたし。
ちょっと奮発して、ビストロを味わうことにした。

コースを頼む。前菜とステーキがついたメニューだ。
ワインはどう?ときかれたので、レッドワインを頼んだ。
ちょっとグラスが大きいやつ。
「ウォーター?」
まぁいいや。たのんじまえ。

彼が担当だと、マスターから店員を紹介される。
さすが、パリ!
サービスもいいよね。

まず、ワインが運ばれてくる。
一緒に運ばれてきたのは、オリーブ。
これがまた、ワインにあって美味い。

ワインと一緒に、パンが運ばれてくる。
後でしったのだが、ワインの味を常にフラットで楽しむため、
お口直しにパンをかじるらしい。
このパンが軽く塩味が利いてかなり美味い。本場のフランスパンは違う。

ワインと、オリーブとノートルダム聖堂を一望できるこの席。
このうえない、贅沢である。
やはり、疲れているときにはいい食事に限る!
いつしか、ホステル探しに歩き回った日中もいい思い出におもえてきた。

ワインが半分ぐらい進んだ頃、前菜が運ばれてきた。
オリーブが下げられ、前菜がおかれる。
チーズと卵の揚げ春巻きのようなものだった。
これがまた美味!
ナイフでさくっときったところに、とろーりチーズが付いてくる。
周りのサラダもしゃきしゃきしていて新鮮である。
どんどん。食欲がわいてくる。

最後に、リブステーキが運ばれてきた。
「ボナペティー♪」
あぁ・・・。パリ最高!
さすが、食の都。
その日の結末を最高の食事で締めたわたしの中で、パリに対する思い入れが強くなるのを感じていた。