肉を食らう

一度、マンションへ戻り、一服した後、念願の、アルゼンチン肉を食らいに行く。
7時過ぎだというのに日が沈む様子はない。
アルゼンチンの昼は長い。
先輩いわく、こっちのレストランは10時頃が一番混むのだそうだ。
朝は軽く食べ、昼を食べ、しばらくたって何かつまみ、そして10時頃に夕食を食べる。
そんな生活だそうだ。
「混んだらいやだから8時ごろには到着しようか?」
ちょっと治安の悪いところまで向かうので、タクシーを呼んで僕らは向かった。
先輩もその店に行くのは2度目らしい。

先輩がタクシーの運転手と細かいやりとりをする。
"とりあえずその道はまっすぐ"
とか、微妙なニュアンスをスペイン語でしゃべっている。
すげぇ・・・。
こういうのは個人レッスンで徹底的に修行したそうだ。
あんまりわたしが驚いているので、そういえばそうか・・・。と先輩は感慨深げだった。
今はタイミング良く、慣れた時期にわたしが訪れたが、当初はなみなみならぬ苦労もあっただろう。

先輩のその姿は、今の僕にはまぶしすぎるほど輝いて見えた。