王宮へ

王宮はタイ国王の住むところである。
一部を観光用に解放してあるのだ。
全面金箔で覆われている建物は見る物を神々しい雰囲気に巻き込んでくれる。

ここはその迫力、アクセスの良さから、観光の名所のようで、
あらゆる国籍の人が訪れていた。
午前中といういい時間帯ということもあり、観光客でごった返していた。

おもしろいのは、小学生や中学生の修学旅行生に出会ったことである。
タイの就学率は高いと聞いていたが、修学旅行の団体に王宮で出会うというのはおもしろい。

それだけ、この王宮というのはタイの人々にとって心のよりどころでもあるのだろう。
日本における皇室のようなものであろうか。

日本と少し違う点があるとすれば、
タイは国王が主権を持った、王制の国である。
首相は国王の代わりに執政を行う。

タイの国王は、その歴史の中で、
ターニングポイントとなるときには、必ず何かの働きをしている。
国民を思い、国民の幸せを願う国王なのだ。

そして、王宮はバンコクにすむ物に取っては、いやでも意識させられる。
夜、ライトアップされる王宮は、観光客のためかと思っていたが、
街を走っているうちに、そうではないことに気づいた。

これだけ神々しい建物を毎日見て暮らしている、タイ人にとって、
自然と、王と自分との関係は意識せざるを得ないものになっていくのだろう。

王宮は、その輝きによって、絶対的な力を誇示していた。