二人旅と一人旅

実は、アユタヤ遺跡は2つぐらいですでに飽きていた。
むしろ、道ばたでうっていた、冷たく冷えたココナッツに舌鼓を打っていた。
ぶっちゃけ2時過ぎの列車に間に合うのなら、それで帰りたかった。

しかし、いっちゃんはすべての遺跡を見るつもりのようだった・・・。

結果から、いうと、全く2時の列車には間に合わず、すべての遺跡につきあってあげた。

しかし、人の正直な感情には逆らえない。
夕刻にさしかかるとは、昼飯を食べていない空腹も手伝い、かなり機嫌が悪かった気がする。

何より、自らが考え、感じることを放棄しているような感覚に陥っていた。
一人で何でもやると、大変だが非常にすべてがスリリングである。
しかし、いっちゃんが計画をぱっぱと建てるので、私は面倒くさくてついつい任せてしまう。

結果的に彼女のペースで見学をした。
私は途中から強い日差しと、空腹と戦っていたような気がする。

後で気づいたのだが、
私はむしろアユタヤで暮らす、地元住民に興味を抱いていた。
途中、学校の前をとおり、あの足でやるバレーボール(?)を始めて見た。
すっげーおもしろかった。

あと後悔したのが、テニスコートを発見し、結構上手い少年が練習していたのである。
もし、一人だったら、「うたせろ!」
とかいって、仲良くなって、ホテルに帰るかどうかすら、考える状態に陥るはずなのだが、
いっちゃんに、
「次の遺跡を見に行かないと、17時の列車に間に合わない」
と、言われ、そうか・・・と、あきらめる。

しかし、正直言うと、
最後の遺跡はどうでもよかったし、14時の列車に間に合わない時点で、
私は何時の汽車でもよかった。
それよりも、ある意味退屈なアユタヤ遺跡より、あらたな刺激を求めていた。

こういう時に、自由のきかない二人旅は、不便なもんだな。と感じた。

そりゃ、部屋代、タクシー代、飯代なんかをすべて割り勘できるという恐ろしい経済効果は見逃せないのだが。