ユースホステルがみつからない。

とりあえず、高速地下鉄と呼ばれるRERに乗車できた私は、
ガイドブックを広げ、今日の宿の目星をつけることにした。

どうやら、ルーブル美術館の近くにホステルがあることを確認し、
一端そこに向かうことにした。

地下鉄1号線に乗り換えることができれば、ルーブルの前に到着する・・・はず。
そして、地下鉄で右往左往しながら、乗り換え口につき・・・。
え??
どうやら、トラブルらしい。
地下鉄1号線から続々と客が引き上げていく。

あきらめた私は、重い荷物をしょって、歩く。
地下鉄2駅ぶんぐらいどうってことないさ。
標識に従って進むと、ルーブル美術館が見えてきた。
どうやらこの近くだろう。

パリでは、どんな小さな小道にも道の名前がつけられている。
日本では住所は町名で確認するが、パリでは通りの名前で確認するのだ。

どうやら、このへんに目的のユースがあるはず・・・なのだが。

・・・・・発見できん。

3回ぐらいだろうか。そのあたりをうろうろしていたのだが、
やはり、発見することができない。

時間は夕刻6時を指そうとしていた。

(本当だったら、今日も観光できたのになぁ・・・)

そんなぼやきをつぶやきながら、どうするか必死に考える。

結局あきらめた私は、次の候補の宿を探す。
どうやら、地下鉄で4つぐらい行ったところに、
ホステルのチェーンを展開しているMJIEというところがあるようだ。

しかし・・・?受付時間が20時までと書いてある。
急がねば。
勇んで地下鉄の駅に向かい、目的地を告げる。

「サムシング、トラブル」

え??まだ地下鉄復活してないの!?
隣のおばちゃんが親切に説明してくれる。

「サムワン ゴー ダウン トゥー ザ レイル」

げ・・・。
まじで。

もしかして・・野宿!?
焦燥感を感じながら、必死で考える。

背に腹は代えられぬと思い、タクシーを捕まえようとするが、全くつかまらない。
それにしてもタクシーが
ベンツやプジョーアウディーってどういうこと!?

すると、向かいにバスが走っている。
どうやら目的地付近に行くらしい。
確認後飛び乗る。

なんとか目的地付近で降り立ち、
地図を片手にホテルを探す・・・。

・・・・・・え??

通りも番地もあっている。
が、どうしてもここがユースだとは思えない。
ドアをよーく見ると、うっすら見える程度に宿の名前が彫ってあった。

ブザーをならさないと入ることはできない。
パリのユースはそこまで徹底していた。

あまりの文化の違いに面食らいながら、シングルはあるかと聞く。

「Yes!」

時、すでに19時。
思わず私の心は安堵につつまれていた。